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「働きがい」ってなに? イキイキ働ける組織づくりの秘訣とは?

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「働きがい」のある会社ってどんな会社?

「働きがい」と聞いて頭に浮かぶことはどういったことでしょうか? 「社会や会社に役に立っている」「自分の望む生活を手に入れられている」など、人それぞれにイメージは違っているでしょう。

また、「働きがいのある会社」と聞いて、思い当たる会社はどこですか? 自分の会社は浮かんだでしょうか。

エントリーのあった会社をさまざまな観点で評価し「働きがいのある会社ランキング」を毎年発表しているGPTW(Great Place to Work)は、働きがいのある会社を、「働きやすさ+やりがいの両方が備わっている組織」と定義しています。

また国際経済労働研究所では、社会心理学の観点から「働きがい」をワーク・モチベーション(仕事に対する動機づけ)と定義し、働く環境が整備されたからといって働きがいが向上するとは限らないといっています。

つまり「働きがい」には、外環境も内からでる動機付けも必要であるということのようです。

なぜ「働きやすさ」も「やりがい」も必要か?

この「働きやすさ」や「やりがい」についてよくわかる理論が、ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)です。

アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが提唱した説で、仕事に対する満足と不満足を引き起こす要因に関する理論です。

この理論によれば、仕事に対する満足度は、ある要因が満たされると上がり、不足すると下がるということではなく、満足する要因と、不満足になる要因は別物なのだそうです。

不満足となる要因は「衛生因子」といわれ、その名の通り、予防的な役割を持つものの、労働への動機付けにとって積極的な効果はなく「経営と管理」「監督技術」「給与」「対人関係」「作業条件」 など職務環境が要因です。外在的報酬(外発的モチベーション)ともいわれ、GPTWがいうところの「働きやすさ」にあたります。

一方で、満足する要因は「動機付け因子」といわれ、直接的に人間を労働に動機付ける役割を果たし、「達成」「承認」「仕事自体」「責任」「成長」などの職務内容が要因です。内在的報酬 (内発的モチベーション)ともいわれ、こちらは「やりがい」にあたります。

下の図をみてください。

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例えば、「達成」は満足に40%も寄与しますが、10%の不満足しか招きません。達成感を得られなかったとしても、不満足にはならないということです。

逆に、「会社の方針と管理」は35%以上の不満足を招きますが、10%ほども満足の動機付けにはなりません。つまり、会社の方針を共有した場合、不満足は解消されますが、仕事のやる気にまでは繋がらないということです。

そして、この内発的・外発的モチベーションには価値観も影響してきます。

内発的モチベーション寄りの価値観の人は、仕事そのものに関心が強く、自由裁量や責任を求めます。一方で、外発的モチベーション寄りの価値観の人は、給与など仕事以外に関心が強く、仕事はあくまで生活や趣味といった他のもののための手段であり、できる限り単純で楽な仕事を求めます。

内的・外的どちらも、欠けると離職に繋がりますが、どちらを重要視するかは、部下の価値観によってくるので、イキイキ働いてもらうには、彼らの価値観を知っておく必要があります。

不満足解消のため「働きやすさ」を整える

「働きやすさ」である不満足の要因は、マズローの欲求5段階説の「生理的欲求」「安全・安定欲求」、そして「社会的欲求」の一部を満たすものだと言われています。

具体的には、前項の図にあるように「会社の方針・管理」「監督」「監督者(上司)との関係」「労働条件」「給与」「同僚との関係」「個人生活」などがあります。

 

「働きやすさ」を整えるには、例えば

・「会社の方針」を明確に示し共有するために、経営理念(ミッション・ビジョン・バリュー)をつくり浸透させる

・綺麗でリフレッシュもできる、「会社に行きたくなる」オフィス環境を作る

・給与を同業他社と比較して適正なものにする

・個人生活を圧迫しないよう、労働時間と業務量を適正にする

・休暇を取りやすくする

・言いたいことを言える風通しの良い社内雰囲気を醸成する

・360度評価など、社内の人間関係を良くする制度を導入する

などなど。

 

制度や数字といった、比較的目に見えてわかりやすい施策で整えることが可能です。

ただ、これらは不満足の解消になるだけなので、やりすぎる必要はありません。

たとえ会社が社員に対して至れり尽くせりだったとしても、やる気には繋がらないのです。

満足感増幅のため「やりがい」を整える

一方、「やりがい」である動機付けの要因は、マズローの欲求5段階説でいうと「社会的欲求」の一部と、「承認欲求」「自己実現の欲求」を満たすものです。

前出の図で見ると、「達成」「承認」「仕事そのもの」「責任」「昇進」「成長」といった要因になります。これらは得てして目に見えないものですが、可視化できるよう施策を打つことはできます。

 

例えば

・明確で測定可能な目標を設定する

・「〜アワード」など表彰される機会をつくる

・成果に対して、昇給だけでなく、昇進という形で権限を拡大する

・裁量の幅や規模を拡大する

・本人の意向に沿った研修プログラムなどに参加させる

などです。

 

最近、「頑張って資料作っても、褒めてくれるのは飼ってる猫ぐらいで…」と悲哀漂うCMが印象的だった、某社が展開するサービスは、社内での個々人の貢献を可視化して、互いに褒めあおうというもの。”褒める”ことをシステム化かつ日常化するのも、承認欲求を満たして「やりがい」を高める施策のひとつとして有効かもしれません。

テレワークでも“やりがい”を引き出す、持続させる方法とは?

GPTWが発表した2021年度版「働きがいのある会社ランキング」において、小規模(25〜99人)部門で1位に輝いたフラッグシップオーケストラは、コロナ対応が高く評価されての受賞となりました。

その施策の中身とは、「オンライン朝礼」。在宅勤務で互いに顔をあわせることが減ったため、全社員を対象にオンライン朝礼を実施。立候補制したメンバーから近況などの共有をしたり、役員の一言があったりする場となったそうです。立候補制とはいえ、皆さん一様に積極的で活気溢れる朝礼となり、また、役員とメンバーとのコミュニケーション頻度が上がり、社員全員が同じ目標に向かっているといいます。

リモートワークだと、自分の仕事も他人の仕事も見えなくなってしまいがちですが、それを共有することで、お互いの状況、貢献などを確認できます。また、経営層との目線合わせができることで、安心感にもつながるでしょう。まさに「やりがい」と「働きやすさ」を備えた施策です。

テレワークでもちょっとした工夫で「働きがい」を担保できる好例ではないでしょうか。