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元気の素を探して活かす!リーダーの新スタイル

風の時代、ニューノーマル時代において、新しいリーダー像のOSの入れ替えの必要性が叫ばれています。これからの時代のリーダーに求められるスキルや人材育成のスタイルとは…?

今回は、30年にわたるグローバル企業での人事経験を活かし、人材育成・組織開発のコンサルティングや研修、コーチングを行う株式会社フューチャー・ミー代表取締役社長 赤津恵美子さんにお話を伺いました。

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赤津 恵美子さん/オンラインにて取材

10年前から抱いていたライフとワークのバランス

35CoCreation合同会社CEO 桜庭 理奈(以下、桜庭):まずはご起業おめでとうございます。会社員時代にお会いした時、赤津さんは非常に高い熱量でお仕事をされていたので、起業されたのは正直意外でした。きっかけはなんだったのでしょう?

株式会社 フューチャー・ミー 赤津恵美子さん(以下、赤津):ありがとうございます。おかげさまで1年ほど経ちました。独立はいろいろなタイミングが重なった結果です。まずは会社のM&Aに伴い、大規模な組織変更があったことです。

それまでは、日本の人材開発・組織開発部門の統括として、グローバルで活躍できるTOPタレントを輩出することや、社員のエンゲージメントの更なる向上、ダイバーシティの推進などのミッションについて、やりがいを感じながら担当してきました。しかし、巨大企業の買収によって人事の本社組織がガラリと変わり、多くの人が異動となりました。そこで、「自分はこれから何をしたいのか」と考え、見えてきたのが「働く人を元気にしたい」、特に「管理職の方々を元気にしたい」との思いでした。そしてそれは一社に限ったことではないな、と。

また、私自身のアメリカ赴任の経験から、場所にも時間にも、定年のような期限にも制約がなく、ワークもライフも充実した生活を送れる“独立”という形態には以前から憧れがあり、10年ほど前から、友人たちに独立したいと話していました。年齢的にも50半ばと、人生100年時代において人生の次のステージを考えるタイミングだったこともあり、決断しました。

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桜庭:制約なく働くことが独立のモチベーションとなったのですね!

赤津:はい。時間の制約については、母親業とマネージャー業の両立で10年くらいは断続的に悩んでいたと思います。例えば、保育園のお迎えのために19時には会社を出るのですが、忙しい会社だったので、メンバーはたいてい遅くまで働いていて、一番にオフィスを出るのが申し訳ない気持ちでした。子どもを寝かしつけると自分も寝落ちしていたりするので、朝4時に起きて仕事をするスタイルに変えました。本当に切羽詰まった時は目覚ましがなくとも2時頃に起きたりしていましたが(笑)。

そんな生活を送っていて、家でも仕事はできるし、自分にあった時間帯に仕事をするのは効率がいいし、気分もいいことがわかってきました。性格的に独りが苦でないとか、自宅に落ち着いて仕事ができるスペースがあるとか、リモートワークの“向き不向き”はあると思いますが、こういうワーク&ライフがいいな、と思うようになったのです。

また、今はワーケーションなども進んできて、場所の制約も緩和されています。夫が米国に駐在しているので、まとまった時間あちらで過ごしたり、友人とワーケーションしたりして、見聞を広げ、ライフも楽しみながら、新たな気持ちで仕事に取り組むのも大事だなと思っています。

自分のバリュー&夢を語れるか?上司の存在意義は?

桜庭:赤津さんご自身の意識の転換はどういったことからだったのでしょう?

赤津:子育てと仕事の両立で、仕事の効率化をせざるを得ない状況になったり、夫や自分の赴任で海外に住んで、あちらの合理的な生活を体験したりといった“物理的”なきっかけがまずありますね。

あと、物理的なきっかけに関連しますが、成果を出すことは大前提として、「自分がどのように役に立てるのか?」を常に意識する環境にいたことも大きいと思います。これは、24歳で最初の転職をして、外資系の会社(ゼネラル・エレクトリック=GE)に入社した時、英語が未熟で肩身が狭かったのですが、「どうしたらこの職場に貢献できるのか?」を必死で考えましたし(結局、英語の上達は避けて通れないので、語学学校に通って克服しましたが…)、米国に赴任した時も「ネイティヴでない私がどうしたら役立てるか?」と周囲にアドバイスをもらいながら乗り越えてきました。

自分がやりたいことに飛び込んでみると、最初は夢が叶って嬉しいのですが、次第に自分の至らなさに気づき、否応なく変わらないといけない状況になります(笑)。でも、それを乗り越えた時の達成感は何とも言えず爽快です。私の場合は、物理的な環境に身をおくことが転換のきっかけになったと思います。

GEの元CEOである故ジャック・ウェルチが残した『Control your destiny or someone else will.(自分の運命は自分でコントロールすべきだ。さもないと、誰かにコントロールされてしまう。)』は、困難に当たった時に今でも思い出す言葉です。放っておいてもそれはなくなるわけではなく、遅かれ早かれ変わらざるを得なくなる。そうであるならば、自ら変わると決めた方が早くスタートできますし、選択肢も多くなる、ということなのですね。

桜庭:起業してもしなくても、時代の節目で「私は何の役に立てるか」は多くの人が感じていることでしょうね。

赤津:そうですね。「会社」を離れて個人の看板で仕事を始めたので、自分はどのように役に立てるのだろう、それを求める方にどうしたら出会えるのだろう、どう伝えればよいのだろう、とよく考えます。

日本の大企業でもリストラを行うところが増えてきました。会社で働き続けていく場合も、「私はこうしてこの会社に貢献する」、「会社は私のここに価値を感じている」ということが明確に言える必要があると思いますし、常に変わりゆく価値を創出するために、どう学び直し、身につけていくのかということについても計画的なアプローチが必要だと思います。

そのためには、よく言われることですが、“Must(やるべきこと)”と“Can(やれること)”と“Will(やりたいこと)”をバランスよく持つことが重要だと思います。MustとCanは大事ですが、それだけだとエネルギーが枯渇してしまいます。「うまくできるけど楽しめない」という状態です。「これが終わってから…」とMustやCanを優先してWillを我慢していると、そのうち何をしたかったか忘れてしまい、やりたいことが無い、エネルギーの低い状況になってしまいます。

そのため、どんな年代の方も、日常の中で定期的にWill、Can、Mustのバランスを見直す機会を持つこと重要だと思います。最近1on1が多くの会社に普及し、上司との対話が脚光を浴びていますが、部下を元気づけたり相談に乗ったりする立場のマネージャー自身に元気がないことも多いのです。きっとご自身のWillやPassionに目を向ける機会がなく、しばらくきてしまったのですね…。

現代は“感情”の時代。人材開発の鍵は“マインド”

桜庭:そういったことも含めて、これからチームを率いていくリーダーとしては、どんなOSへのアップグレードが求められるのでしょう?

赤津:知識やスキル面でのブラッシュアップはもちろん必要なのですが、コロナの影響もあり、コミュニケーションや人間関係に課題を感じているリーダーは多いです。

最近は、従業員意識調査や360度多面評価などでリーダーの評価が可視化され、「こんなに頑張っているのにこんな(低い)評価なのか…と自信を失った」、「自分と性格やノリが違う人には苦手意識があって、ついコミュニケーションが減ってしまう」、という話を聞きます。多様な意見を取り入れて、ぶつかりながらも協働することで課題解決や価値創造できる!とわかってはいても、なかなか現実には難しいですよね。

そこで、いま行っているのは、自己理解、他者理解、他者との関係づくりのワークショップです。これが結構人気でして(笑)。まずは自己理解を深めることから始めます。メンバーが受け身で覇気がないと思っていても、掘り下げていくと、「そもそも自分が多忙で溌溂としていない」、「多面評価の結果が悪くて自信をなくしている」、などと思い当たったりします。そこで、「そもそも自分はどんなことを大事にしていて、何がやる気の素なのか」、「どんな強みやリソースをもっているのか」といったことをツールも使いながら深く考えていきます。

次に、他者についても同様に、大事にしている事や、やる気の素、強みなど、対話を通して理解していきます。最後に、そうした多様な価値観を持つ人たちとどのように接すればよいのかを考えることで、「私が気にしすぎていたんだ」とか「こういう行動をすればよい相乗効果をだせそう」とか、すぐに職場で使える気づきをたくさん得て、元気になって帰られます。

また、「部下の質問に全て答えなくてはいけない」と思われている管理職の方も多いのですが、全てに答えがあるわけではないですし、一人で出す必要もありません。一緒に考える、得意でないことは他の人に補完してもらう、といった発想の転換も必要ですし、知識や人脈を広げて、活用できるリソースを増やすことも大事です。

勇気をもってリーダーのスタイルを変えていく!

桜庭:マインド面も含めた人材開発を行っていくことが重要なんですね。それを実現するプログラムとはどういったものなんでしょうか?

赤津:デジタルの進化で個人の発言や創造のインパクトが大きくなっています。TwitterやYouTubeなどソーシャルメディアの影響力はスゴイですよね。また、顧客ニーズも昔は最大公約数的な対応が一般的でしたが、今はデジタルツールで個別の状況がリアルタイムで見えるので、それに合った対応が不可欠です。したがって、社員がひとりひとりのお客様のニーズを的確に把握し、自分で考えて動くことが必要になってきています。ですから、社員の創造力を解き放ち、自律的に動けるように、しかも、自分勝手ではなく、部門や会社として全体の整合性が取れるように、というマネジメントが求められています。

自律型人材を増やすために、リーダー/マネージャーは「リード」「管理」「支援」「育成」の4つの役割を行う必要があると考えています。また、マインド面では、先ほども述べましたが、「自他の強みを生かすこと」、「社員が動ける、動きたくなる、Will, Can, Mustのバランスがとれた環境を作ること」、「任せて育てること」、「コーチングしながら成長を促進すること」の4つを意識して行うことが重要だと考えています。

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以前は一般的だった上意下達の管理型から、自律性を引き出す支援型へ、マネジメントスタイルの転換が求められています。コーチングなんてされたことも、学んだこともないけれど、1on1やキャリア面談、評価面談で実践せざるを得ない状況なんです…という方が増えています。さらにそのスタイル転換のスピードも問われています。

いまの若手は「ここでは物足りない。成長のチャンスがない。」と思うとすぐ転職してしまいます。危機感が強く、自分の価値が高められるような仕事を求めているのですね。人間関係がよいというのは大事なことですが、人を惹きつけ続けるには、継続的に成長できる組織であることが重要なのです。

そんな新たなマネジメントを効果的かつ効率的に身につけるにはどうすればよいのでしょうか。それは、きちんと設計されたプログラムで、コーチや仲間と共に学ぶ場へ、踏み出すことだと思います。

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フューチャー・ミーのプログラムでは、まず、先ほどのマネージャーの4つの役割と4つの基本方針にもとづき、基礎知識を学びます。知るべき事だけを効果的に、しかも応用がききやすいようにツールや豊富な事例と共に提供します。

次に、それを日々実践していただきます。今週はどんな目標を立て、そのために何を行い、どんな結果だったか、その反省に基づき、来週は何をするのか、といったPDCAを週報に書いて振り返ります。

最後に、やってみて疑問に思ったことはいつでもメールで質問できますし、定期的に個別コーチングを受けていただきます。個別コーチングは、大きな気づきと変化を実感できると、このような声をいただいています。「本質的な課題が見えて、実行の背中を押され、確実に前進した。組織運営に自信が持てた」「話すうちに課題が整理・言語化された。目的に向かって一緒に歩いていく安心感があった」「本質的な部分をえぐられた感じがしたが、自分に合った接し方をしてもらえ、成長した実感がある」

リーダー/マネージャーにも成長を感じていただき、部下にもそのような機会を与えられる、そんな循環が広がっていったら、日本の職場もやる気のある人が6%(※)という汚名を返上し、活気とイノベーションに溢れる場になるのではないかと思います。そんなムーブメントに少しでも貢献できれば非常に嬉しく思います。

※Gallup社による調査

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桜庭:活気とイノベーションに溢れる場…まさにそうですね!赤津さん、今日はありがとうございました!

編集後記(桜庭)

ポストコロナの新時代におけるリーダー職のかじ取りについて読者に向けた「応援歌」を、と考えていたところ、これ以上ないくらい適任では!?とお顔が浮かんだのが赤津さんでした。

お話を伺う中で、パーソナルな弱みを感じた時のお話や、視点の転換や、学び、心やマインドの育みにいたるまで、丁寧にお話をくださいました。特にCanやMustだけに縛られ働くだけでは「エネルギーが枯渇する」というお話は、自分自身の就業人生を振り返っても大きくうなずくところでした。日本のこれからの時代に「支援型リーダーシップ」が当たり前となるように、赤津さんの挑戦に心から共鳴し、応援いたします。